24 Feb,2023
私は10代後半の段階から「20代半ばに見えるね(=老けて見えるね)」と言われていました。思い返してみると、生まれてから20代まで、年齢より若く見られることはなかったかもしれません。
しかし、30代になるとなぜか「年齢より若く見えるね」と言われるようになりました。とても不思議だったのを覚えています。かつては歳より上に見えていたのに?と。私の見た目が永遠に30歳くらいだから、いつのまにか実年齢が上回ってしまったんでしょうか?──そんなバカな。
けれど、40代後半となった今ならわかります。
世代によって「若く見えるために必要な条件」が違うんですよね。
10代、20代は「顔立ち」が見え方に大きく影響すると思います。いわゆる造形的なものと、そこから派生する雰囲気です。目の大きさ、眉の形、輪郭。面長かどうかや、そこにあどけなさが残っているかどうかなど。
対して30代以降は「いきいきとして見えるか」という要素が大きくカットインしてきます。毎日楽しさや新鮮さを感じて生きていそうか、ハリのある人生を送れていそうか。表層的な造形から、心・精神のありかたが「若見え/老け見え」に影響を及ぼしてきます。
いきいきしているかというのは、そこに生命力が感じられるかということです。だから、メイクで若さをプラスするならば、圧倒的に「血の通っている様子」つまり「血色」を取り入れることが重要となります。ファンデーションのベースにピンクを仕込んだり、チークに赤みのあるものをレイヤードしたり、唇に紅を差したりと、顔に血色をもたらすメイクアップの方法は、幸いたくさんあります。最近はアイシャドウも血色カラーがたくさん出ていますよね。
「若く見える=いきいきとして見える」という視点から考えると、さらにプラスできることがあります。それはたとえば、毎日を楽しく過ごせるように工夫する、たくさん笑う、好きなことに挑戦してみる、自分を好きになる、といった方向に意識を向けることです。血色をプラスして視覚的に生命力をオンするだけでなく、日々の姿勢にそんな要素をプラスできたら、それはもう「若見え」へメーターを振り切るスタートを、大きく切れたことになるんじゃないでしょうか?と思います。
私が30代になり老けて見えなくなったのはたぶん、やりたいことや好きなことがはっきりとわかって、それに挑戦することができていたからなんじゃないのかな、とぼんやり思っています。造形的にはあどけなくないわけですけれども。
「老けて見えるね」と言われていた若い頃、私は幸いにも「若く見られたい」とは考えていませんでした。素敵だなと思う女性に、歳上の人が多かったから。大人っぽく見えるということで、むしろ喜んでいました。
ですが40代後半の今は「老けて見えるね」と言われると(若く見られたいという気持ちは今もさほどないとはいえ)少し身構えてしまいます。「いきいきして見えない」という印象を与えていることになり、疲れて見えている可能性があるからです。
それは極力避けたい。だから、血色感と、人生におけるフレッシュなチャレンジを忘れずに、歳を重ねていきたいと思います。
TEXT : AYANA